普段の持ち運び用の万年筆として、パイロット グランセを愛用しています。
スリムな軸ながらも14金のペン先を使っている贅沢な万年筆で、スターリングシルバーを軸に用いたモデルも発売されています。

ボクが使うのはグランセNCというモデルですが、現在は廃盤でグランセに統合されました。

パイロットといえばカスタム74が有名ですが、グランセも負けず劣らず優秀な一本。
今回はそう感じた理由を、グランセが大好きでやまないボクがわかりやすく解説します。

あまり注目されない万年筆なのが残念です。
そこで今回は、グランセの魅力が伝わるようにレビューしていきます。
パイロット グランセの特徴
- 細軸+嵌合で持ち運びに最適
- 万年筆らしい書き味が堪能できる
- ボールペンやシャープペンと揃えて使える
パイロット グランセがオススメの人
- 細軸が好きな人
- 持ち運んで使いたい人
- 万年筆らしい書き味が好きな人

パイロット グランセは細軸で持ち運びに最適

約5年ほど愛用しているグランセ。フリクションシリーズやドクターグリップシリーズを作る、パイロットから発売されている万年筆です。
パイロットの万年筆はカスタムシリーズが有名で、カスタム74・カスタム912・カスタム845など、様々なバリエーションで展開されています。
グランセはカスタムシリーズとは異なり、少し尖った印象の万年筆です。

カスタムシリーズは定番、それ以外は少し特化している印象を受けます。
細軸で手帳向けにラインナップされているのがグランセです。
グランセは使っていて気持ちがいい
ボクがグランセを愛用するのは、書きごこちが気持ち良いからです。
昨今の万年筆は筆圧が高い現代人に合わせて、比較的カッチリとした書き味のモノが多いです。
ですがグランセは柔らかめに作られていて、万年筆らしい書き味を堪能できるんです。

柔らかい万年筆って、高級品を除くとあまりなくなってます。
だからこそ、グランセの書き味は貴重なんですよ。
余談:パイロットの企業広告からは「書く」に対する想いが伝わってくる
以下は、パイロットの企業広告サイトです。
「書くを、支える」というアイデンティティを軸に、様々な筆記具を作っており、誠実に書くことと向き合っているパイロットの想いが伝わってきます。
グランセやエラボー、カスタム845などを使っていて感じる真摯さは、ここにあったんですね。

「書く」は人と切っても切り離せない存在ですよね。
そこに誠実に向き合う姿勢は見習うべきところがありますね。

パイロット グランセの外観
実際に所有するグランセを確認していきましょう。
所有しているのは、グランセNC ダイヤモンドシルバーです。
とてもシンプルなデザインですが、現在はもっと華やかなデザインにリニューアルされています。

クリップにはさりげなくグランセの刻印があり、主張の少ない品の良さを感じます。

キャップトップは艶のある黒い樹脂になっていますが、模様や刻印などは入っていないシンプルなデザインです。

尻軸後端部も同様、主張のないシンプルなデザインです。
黒い樹脂を両端に用いることで、ペンのデザインを際立たせている印象があります。

ペン先は小ぶりなサイズ。14金を採用しており、刻印も緻密に入れられているのが印象的です。
ロジウムメッキも施されているので、手が掛かっているのがすぐわかりますね。


全体をみた印象は、シンプルでエレガントなイメージ。
使う人の品の良さを際立たせるのにはうってつけですね。

パイロット グランセの良い点・メリット
ここからは、実際に使ってみた感じた良い点・メリットを紹介します。
その①:細軸+嵌合で持ち運びに最適

グランセは鉛筆やシャープペンを一回り太くしたくらいの軸径です。
鉛筆やシャープペンと並べてみると、その細さがわかりやすいですね。


長さも抑えられていますが手で持ってみると、キャップの有無に関わらず安定して書ける長さになっているのに気づきます。
書く時は安定しつつ、書かない時は細くてコンパクト。
なので、胸ポケットや筆箱にいれて持ち運ぶのに、ちょうど良いサイズ感なんです。

キャップも万年筆でよくあるネジ式ではなく、サッと使いやすい嵌合式。
必要な時に取り出してすぐ書き始められるので、手帳を持ち運ぶ人や、営業職で胸ポケットにペンを挿しておく人などにピッタリです。
その②:書き味が柔らかく、万年筆らしい書き味を堪能できる

グランセのペン先は、小ぶりながら14金を使っています。
1万円クラスの万年筆のペン先は、金の価格が上がりつつある現在、ステンレスが採用される傾向が高いので嬉しいポイントです。
適度な跳ね返りがある柔らかめのペン先になっており、コンパクトサイズながら贅沢に仕上げてきたなぁと感心します。
ペン自体は細身ながらも金属製で重め(24g)なので、自重に任せて力を入れずに書くとスムーズに書けて気持ち良いですよ。
その③:万年筆・ボールペン・シャープペンと3点揃えて使える
1994年発売のロングセラーモデルをリニューアル
パイロット プレスリリースより
万年筆・ボールペン・シャープペンシル『グランセ』発売
万年筆2タイプと油性ボールペン、シャープペンシルをラインナップ
グランセは、万年筆・ボールペン・シャープペンの3点が同じデザインでラインナップされています。
なので、他の筆記具と揃えられるので、統一感を出して筆記具を使いたい人に最適です。

お気に入りの筆記具を使うと、テンションが上がる人には特にオススメです。
また、3点揃ってるのを活かして、新社会人や新大学生の方などにプレゼントするのに最適です。
「万年筆+ボールペン」など、ちょっと良い筆記具が必要な人に渡すと喜ばれますよ。

名入れをしてあげると、さらに特別感UP。
実用性もあるので、記念やお祝いに最適です。

パイロット グランセの気になる点・デメリット
とても気に入っているグランセですが、少しだけ気になる点があるので紹介します。
その①:コンバーターの容量が少ないのでインク切れが心配
グランセはコンバーターを装着して好きなインクを使えますが、その容量は0.4ccと少なめ。
パイロットの万年筆用カートリッジの容量は公にされていませんが、とある万年筆ユーザーが試したところ「0.9cc程度」らしいです。
だとすると、コンバーターの容量はカートリッジの半分以下になってしまうので、コンバーターで使うのはあまり現実的ではありません。
ただし、グランセはどちらかといえば持ち運び用の万年筆。
出先でインクがなくなってしまうリスクを考えると、カートリッジで運用するのがオススメです。

ボクも昔はコンバーターで使っていたんですが、
吸入頻度が高かったので、カートリッジにした経緯があります。


その②:ペン先の柔らかさに慣れないと使いづらい

良い点・メリットにも書きましたが、グランセのペン先は柔らかめです。
人は咄嗟の行動をとった時の力加減が下手なので、サッと取り出して書き始めようとすると、筆圧が高めになる可能性があります。
そんな時は、ペン先の柔らかさで破損のリスクが高くなるので要注意。できる限り落ち着いて使うのを心がけるのがオススメ。
万年筆を使う時は、ワンテンポおいてから使う「大人の余裕」を兼ね備えていると、カッコイイですよ。

ペン先の柔らかさは、時にデメリットにもなりえます。
どうしても咄嗟のタイミングは、気に掛けられなかったりしますからね。
それでも不安な方は、ペン先がステンレスのグランセか、もう少し安価な万年筆を使うのがオススメ。
故障のリスクも低く、気兼ねなく使えて、万年筆を使うのが楽しくなりますよ。


まとめ:グランセは趣味と実益を兼ねた万年筆

今回は、パイロット グランセの紹介でした。
グランセはパイロットのラインナップの中では無名で、レビューなどで取り上げる人も少ない万年筆です。
ですが、実際に使ってみると取り回しが良く、万年筆らしい書き味も堪能できる一石二鳥の万年筆でした。
パイロット グランセがオススメの人
- 細軸が好きな人
- 持ち運んで使いたい人
- 万年筆らしい書き味が好きな人
純粋に持ち運んで使いたい人もヨシ。万年筆が好きな人が気兼ねなく使う用としてもヨシ。
パイロット グランセは、趣味と実益を兼ねた優秀な万年筆です。

グランセは書き味や使い勝手に優れた優秀な万年筆。
どうしてもカスタム74に隠れて目立たないですが、使えばその良さがすぐわかります。
使う人にエレガンスと品をプラスしてくれる、素敵な一本です。




