こんにちは、文房具が大好きなカクタケイ(@kakutakei)です。
何か面白い万年筆はないかと探していると、ふとした時にとある不思議な筆記具に出会いました。
ファーバーカステルのパーフェクトペンシル 伯爵コレクションです。

えんぴつなのに一式3万円近くする不思議な製品ですが、何を思ったのか当時のボクは興味本位で購入してみました。
あまりの高額さからおそるおそる使ってみるとパーフェクトペンシルの完成度の高さに驚き、デザインのアイデア出しスケッチなどで徹底的に愛用するようになりました。
今回はその不思議なえんぴつ、パーフェクトペンシル 伯爵コレクションを紹介します。

気づいたら5年ほど愛用し続けていました。いまでは手放せない大事な相棒です。
パーフェクトペンシルを使っていて感じた事
- 書き味滑らか、しかも減りにくい
- えんぴつにしては重く、リアヘビーなバランス
- ランニングコストが高い

パーフェクトペンシル 伯爵コレクションとは
パーフェクトペンシル 伯爵コレクションは、ファーバーカステルが販売する高級ラインのえんぴつです。
「書く・消す・削る・携帯する」といったえんぴつに必要な行為が全て行えることから、パーフェクトペンシルと名付けられています。

ファーバーカステルと伯爵コレクションについて
ファーバーカステルは現在のえんぴつの基準を作ったメーカーで、創業から250年以上経つ、現存する最古の筆記具メーカー。

伯爵コレクションは、そのファーバー=カステル伯爵家の8代目当主が、後世に残る製品を世に送り出したいという思いから作られた製品群です。
ファーバーカステル伯爵コレクションは、現存する世界最古の筆記具メーカー、ドイツのファーバーカステルによる至高の筆記具コレクションです。
1761年の創業より260年に渡り9世代に脈々と引き継がれたファミリートラディションをファーバーカステル伯爵家の家紋に刻み、一本一本こだわりぬいた厳選素材を用いて丁寧に生産された最高級の筆記具や革小物、デスクアクセサリーをお届けしています。
ファーバーカステル 伯爵コレクション 公式サイト ABOUT BRANDより
現在のラインナップは大きく分けると2種類
現在のラインナップは、定番品のパーフェクトペンシルと、太軸のパーフェクトペンシル マグナムの2種類が用意されています。
パーフェクトペンシル | パーフェクトペンシル マグナム | |
---|---|---|
○ | プラチナコーティング (亜鉛+プラチナコーティング) | ○ |
○ | ブラックエディション (亜鉛+ブラックPVDコーティング) | ○ |
○ | スターリングシルバー (無垢のシルバー925) |

どちらにもプラチナコーティングとブラックエディションが用意されていますが、定番モデルにのみスターリングシルバーがラインナップされています。
これは無垢のシルバー925を用いており、シルバーの経年変化を楽しむためのモデルです。

また、パーフェクトペンシルのえんぴつはブラウンとブラックが基本的なコレクションになっており、定番品でも太軸でも、好きな色を組み合わせて使えます。
それに加えて定番品のパーフェクトペンシルには、ギロシェ カラーズと呼ばれるカラフルな替えペンシルもラインナップされています。

ちなみに芯の硬度は定番品がB、太軸が4Bになっています。
パーフェクトペンシル 伯爵コレクションの外観
それでは実際に、パーフェクトペンシル 伯爵コレクションの外観を見ていきましょう。
今回紹介するのは、定番品のパーフェクトペンシルのプラチナコーティングです。
合わせているえんぴつは、昔からラインナップされているブラックを選択しています。

まずはキャップにもなっているエクステンダーから見ていきます。
この時点で、なんとなく高級感が漂う仕上がりを感じます。

エクステンダーの根本部分はローレット加工が施されており、高級時計のような繊細さのある表情になっています。
その上には、「GRAF VON FABER-CASTELL(グラフ フォン ファーバーカステル)」の刻印が入れられています。

上はラッパ状に広がっており、上端の部分には細かい縦の溝が彫られています。
身近なもので例えるなら、100円玉のフチのようなイメージが近いです。

クリップは飾りのようにも見えますが、内側にバネが仕組まれており、しっかりと機能するものです。
また、付け根にはファーバー=カステル伯爵家の紋章がデザインされているのが特徴です。

ボクが持っている2本のパーフェクトペンシルはどちらも古いモデルで、現在のモデルは、紋章から新ロゴに変更されています。

このロゴが付いていることが、伯爵コレクションの証明にもなっています。
このラッパの部分、実は引っ張って抜けるようになっています。
寸分の狂いなくはめ込んであるので、ぱっと見では気づけないようなクオリティです。

抜けると姿を現すのは、鉛筆削りです。
この鉛筆削りは金属削り出しの本体に刃が装着されており、この部分だけで一体いくらするのか気になる作りになっています。


明らかにオーバースペックと言っても差し支えないクオリティです。
続いてえんぴつ部分を見ていきます。

えんぴつの軸は溝が彫ってあり、持っている時に滑りにくくなるようになっています。
また、一般的な鉛筆より1mmほど太く、大人が持った時にちょうど良い太さになっているんです。

このえんぴつの木材には節の少ないカリフォルニアシダーが用いられており、ムラなくぎっしりと詰まった木材からは、質の高さがうかがえます。
ブラックの軸は内側まで染められているので、えんぴつ芯の部分が目立たずにシックな印象になっています。
他のカラーの芯は、一般的なえんぴつと同様、木材の色になっています。

えんぴつ後端に装着されているキャップは、エクステンダー同様にプラチナコーティングされています。

キャップを外すと、小さな消しゴムが装着されています。

実はこの消しゴム、取り外せる別体のパーツになっています。
別売でスペアが用意されているので、もし使ってしまっても、新しい消しゴムを装着して使えるようになっています。

エクステンダーとえんぴつを確認したので、パーフェクトペンシルの全てのパーツを外してみました。
えんぴつとは思えないような構成になっているのが面白いですね。


えんぴつにかけるクオリティじゃない、そんな雰囲気を感じます。

パーフェクトペンシル 伯爵コレクションを愛用していて感じたこと
5年ほどパーフェクトペンシル 伯爵コレクションを愛用していて感じたことを紹介します。
書き味滑らか、しかも減りにくい
パーフェクトペンシルの書き味は終始滑らか。
まるで、紙の上をえんぴつが踊るような書き味をしているんです。

海外製のえんぴつは硬めの書き味やざらつきが感じられることが多く、滑らかさの観点では三菱鉛筆のHi-uniなどに遅れをとっている印象を感じていました。
しかし、パーフェクトペンシルは削ってとがらせてもざらつきは感じられず、書いている時に引っかかることはありません。

もちろん紙質などにも影響は受けますが、どんな紙でも比較的安定して滑らかさを感じます。
また、滑らかにスルスルと書けるのに、すり減りにくいのもポイント。
今まで相当使い込んできましたが、出先で削らなくてはならない機会は、ほとんどありませんでした。
学校でも会社でも、えんぴつを削れる環境は意外と少ないので、削らずとも書き続けられるのは安心感そのものです。


えんぴつはすり減ると削る必要があるので、長持ちしてくれないといざという時に困ってしまいます。
えんぴつにしては重く、リアヘビーなバランス
パーフェクトペンシルは金属製のキャップがついているので、えんぴつにしては重めです。
新品のパーフェクトペンシルに消しゴムとキャップをつけた際の重量は、7gもありました。
ちなみに一般的なえんぴつは4gなので、おおよそ2倍です。



もともとえんぴつは軽いので、多少重量が増えたとしてもシャープペンなどよりは軽いです。
ただ、重さより気になるのはその重心位置。
金属製のキャップが付いているので、一般的なえんぴつとは異なり、かなりリアヘビーなバランスになっています。
先ほどの新品のパーフェクトペンシルの重心を調べてみると、重心はおおむね後端から1/3あたりの場所にありました。
こちらも、一般的なえんぴつの場合はちょうど中心あたりに重心があります。



初めて使う時はこの不思議なバランスに慣れず、少し戸惑うかもしれません。
リアヘビーのバランスは独特ですが、実際にパーフェクトペンシルを使ってみると、思ったより手に掛かる負荷が低いことに気づきます。
これは、パーフェクトペンシルの重さが、ちょうど手に乗るようになっているから。
あたかも何も持っていないような不思議な感覚になるんです。
おかげで手の力を抜きながら筆記できるので、えんぴつなのに手が疲れないんです。


ちなみにエクステンダーも同様で、えんぴつが短くなった時に使うと、ちょうど手の部分に重心がくるようになっているので、しっかりと考えて作られているんだなぁと感心しました。

えんぴつが長い時にエクステンダーを使うと、後端が重すぎて不安定になります。
ランニングコストが高い

パーフェクトペンシルは、替えペンシルなどのランニングコストが高めです。
実際に、パーフェクトペンシルのリフィルなどの価格をまとめました。
製品 | 価格(税込み) |
---|---|
替えペンシル(5本) | 7,150円 |
消しゴム(5個) | 1,760円 |
シャープナー | 7,150円 |
キャップ | 6,600円 |
「まさに伯爵コレクションの名の通り」といった印象です。
もちろん価格が高い分、作りが良く使い勝手も良いですが、1本1,430円のえんぴつと考えると、 その価格の高さがわかるはず。
一般的なえんぴつは、高くても1本200円ほどなので、おおむね7倍ほど価格が違います。

6倍高いからといって、6倍使いやすいなんてことはありません。

なのでパーフェクトペンシルは、その贅沢さをいかに感じられるかがポイント。
精緻に加工してあるえんぴつ軸からクラフトマンシップを感じつつ、ゆったりと筆記を楽しむくらいの余裕があると、パーフェクトペンシルをより楽しむことができます。

ボクは削ってすり減っていく1,430円を感じながら使っているので、まだまだ甘いですね…。
ちなみに、5年も使い続けていると、パーフェクトペンシルも傷だらけになってしまいました。
しかしプラチナコーティングが剥げて落ちてしまったりすることはなく、パーフェクトペンシルの美しい仕上げの魅力は、今でも感じられています。

ボクは現在2本のパーフェクトペンシルを所有していますが、使っているのは最初の1本だけ。
傷ついてきたことに憂いを感じて2本目を購入したのに、その1本目の傷ついた状態を「美しい」と感じてしまったんです。
結局2本目はほとんど使わず、1本目をそのまま愛用し続けて、今に至ります。

この傷がついた状態すらも美しく見える、魅力を持つ製品です。
まとめ:世界一贅沢なえんぴつ

パーフェクトペンシル 伯爵コレクションは、世界一贅沢なえんぴつ。
丁寧に作り込まれたこの製品は、えんぴつを100年以上真摯に作り続けてきたからこそ作れる逸品です。
決して万人にオススメできる物ではありませんが、何か機会があった時にでも触れてみてください。
きっと新しい価値観と素晴らしさが感じられると思います。
以上、カクタケイ(@kakutakei)でした。


ショップ情報
六本木 東京ミッドタウン ガレリア3Fに、ファーバーカステルの公式ストアがあります。
過去の限定品から現在の市販品まで、ファーバーカステルのさまざまな製品を一同に集めた店舗です。
今回紹介したパーフェクトペンシルの他にも、色えんぴつや万年筆などのさまざまな製品が置いてあるので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
