こんにちは、文房具が大好きなカクタケイ(@kakutakei)です。
ボクは万年筆が好きなのですが、それ以外の筆記具はあまり食指が動かないことが多いです。
特にボールペンやシャープペンは、万年筆で全てをこなしてしまうとあまり使い道がないので、スルーする確率が高いんです。
そんな中、唯一興味を持ったのが、カランダッシュ エクリドールです。

鉛筆を模したデザイン。高級時計のような精緻な軸の彫刻。コンパクトながらもズシリと重みのある重量。
他の高級筆記具のなかにはあまりみられない特徴がズラリとあり、とてもユニークな筆記具だなと感じたことから、気づいたらその魅力にのめり込んでいきました。
今回はエクリドールを使っていて感じた魅力について、紹介します。

エクリドールは、デザインから想像し難いような、実用的な筆記具でもあるところに惹かれました。
エクリドールを使っていて感じたこと
- 細身でエレガントなデザインが美しい
- 精度が高い安定した書き心地
- ボールペンの滑らかさは随一
- シャープペンシルは0.7mmが基本なので使いにくい


カランダッシュ エクリドールとは

エクリドールは、スイス カランダッシュが販売する高級筆記具。
鉛筆を模したシャープなデザインが魅力で、1953年に誕生して以来、大きくカタチを変えることなくあり続けている製品です。
1953年にボールペンが加わり誕生したコレクション。美しくシャープな六角形のフォルムを今日まで守り続けており、信頼できるパートナーとして世界中に愛されてきました。
カランダッシュ 公式サイトより引用
一見して装飾アイテムのようにも見える、繊細なデザインが施されたエクリドールですが、筆記具としても使いやすいように作られているんです。
中でも油性ボールペンの書き心地は、他にはない独特の滑らかさがあり、今まで油性を好んでいなかった人でも使いやすいと感じられるクオリティです。

スイスといえば時計産業が有名。そこで培った金属加工技術を筆記具に転用しているので、精緻な装飾を施せるんですね。
カランダッシュとは

カランダッシュは、スイス ジュネーブの筆記具メーカーです。
1915年から鉛筆の製造をおこなっている会社で、当時から現在に至るほとんどの製品を、スイス ジュネーブにある自社工場で製造しています。

現在は、比較的ハイグレードの製品が多くラインナップされている筆記具メーカーです。
カランダッシュに似たような会社として、先日紹介したパーフェクトペンシルを作っている、ドイツ ファーバーカステル社があります。
カランダッシュ エクリドール フォトレビュー
それでは実際に、エクリドールを見ていきましょう。
シャープペンシルとボールペンの2本を所有しているので、どちらも紹介します。

エクリドールの六角形の軸は、高級筆記具にしては細く短めです。
軸には丁寧にパラジウムコートがかけられてあり、さらに精緻な模様が彫られているので、初めて見た時には華奢な印象すら与えてくれます。
しかし、軸は真鍮で作られているので、実際に手に持ってみるとズシリと重い、そんなギャップがあります。

初めて持った時は、高級感がすごいなぁと感心してしまいました。
冒頭でも触れた通り、エクリドールは鉛筆を模したデザインになっています。
なので形状の六角形のみならず、その太さまでも鉛筆と似ています。

実際にエクリドールを鉛筆と一緒に並べてみると、長さ以外が非常に似通っていることに気づきますね。


ちなみにエクリドールの長さは、少し使って持ちやすくなった鉛筆を参考にしているんです。
2本ともエクリドール シェブロンと呼ばれる製品で、軸にはシェブロン模様が表現されているものです。
シェブロン模様とは「ジグザグ型の縞模様」のことで、エクリドールでは多面体と縦溝を使って表現しています。

クリップは軸に合わせたコンパクトサイズですが、立体的に加工してあり、全体の雰囲気にマッチしています。
上半分は凛とした雰囲気を感じさせてくれるシャープな形状ながらも、クリップ先端には丸みがあり反り返っているのがキレイですね。
飾りではなく、しっかりクリップとして使える強力なホールド力もあるので、実際にワイシャツのポケットなどに挿しても良さそうです。

キャップトップにはカランダッシュのロゴが、側面にもカランダッシュのロゴとSWISS MADEの刻印が施されています。
どちらもプリントなどではなくレーザー刻印なので、経年劣化で無くなってしまうことはありません。

エクリドールは、ボールペン・シャープペンシル共にノック式になっています。
高級筆記具の場合は、ノック音などが出ないようにツイスト式が採用されることが多いので、ノック式は少し珍しいと感じます。
ただ、ノックした際に「シュコッ」と静かな音になるように工夫されており、会議中などでも気にせず使えるようになっています。

ペン先付近は、鉛筆のように緩やかな角度でペン先に向かっています。
この角度にはボールペンもシャープペンシルも違いはありませんが、シャープペンシルのみ口金がペン先から常に飛び出ているので、より一体感がありますね。

エクリドールのペン先付近はほぼストレート形状なので、形状やメッキの品質が不安定だと目立ってしまいます。
ですが、じっくりと眺めてみても形状の歪みやメッキの不完全さは見受けられず、非の打ち所がないクオリティで仕上げられているなと感じました。


「神は細部に宿る」と言いますが、エクリドールはしっかりそれを体現していますね。

カランダッシュ エクリドールを使っていて感じたこと
エクリドールを実際に使っていて感じたことを紹介します。
- 細身でエレガントなデザインが美しい
- 精度が高い安定した書き心地
- ボールペンの滑らかさは随一
- シャープペンシルは0.7mmが基本なので使いにくい
細身でエレガントなデザインが美しい
エクリドールは、細身でエレガントなデザインが魅力の筆記具。
表面のパラジウムコーティングはとても分厚く、軸に施されたデザインの繊細さが組み合わさることで、なんとも言えないエレガンスを感じさせてくれるんです。


どんな場所で、どんなタイミングで使っても恥ずかしくないデザインだなと感じます。
ただ、少しばかり欠点もあり、その細さゆえに少し持ちにくいんです。
シャープペンシルやボールペンは筆圧が必要な筆記具なので、少し力が入って汗ばんだときなどに滑りやすくなってしまうんです。
模様にもよりますが、エクリドールの模様の彫刻は浅めなので、グリップ力もあまりないのが実情です。

これを回避するためには、少し立て気味にして、筆圧をかけないようにするのがポイント。
後述しますが、カランダッシュのボールペンは非常に滑らかなので、あまり筆圧をかけずともサラサラと書けるんです。
シャープペンシルの場合は、2Bなどの柔らかめの芯を用いて、エクリドールの重さに任せて書くのがオススメです。


うまく重さを活かして書くと、美しさと使いやすさを兼ね備えた筆記具に変身します。
精度が高い安定した書き心地
エクリドールは部品点数が少なさとその精度の高さから、安定した書き心地になっています。

軸はワンボディで継ぎ目すらなく、強度が出るように分厚い金属で作られているので、筆記中にたわむなんてことはありません。
天冠を外して軸の中を見てみると、内部も外の六角形と合わせることで、肉厚な構造にしてあるのが確認できますね。

ペン先も精密で、ボールペンでは0.1mmほどのスキマしか見られず、シャープペンシルではスキマがほぼありません。
こういった工業製品でスキマを減らすのは簡単ではなく、丁寧にコストをかけて精度を高めることでやっとできるようになります。

これらの特徴から、ペン全体がカッチリとした作りになっているので、ストレスのない書き心地に仕上がっているんです。
エクリドールは美しく繊細なデザインの筆記具ですが、しっかりと実用できるように考えられた筆記具なんですね。

軸が分割部品になっていないのには、ただただ驚きです。
ちなみに、カランダッシュの製品群の中ではエントリー向けの「849」という筆記具がありますが、そちらもエクリドール同様にワンボディで整形されています。
真鍮ではなくアルミを用いているので重量感などは異なりますが、エクリドール同様の安定した書き味を体感できる、優れた筆記具です。

ボールペンの滑らかさは随一
カランダッシュのボールペンは、油性ながらも滑らかな書き味が魅力。
カランダッシュのボールペン芯は、粘度の高いインクを、芯の内部を工夫して一定的に供給させることで、滑らかな書き味を実現しているんです。
おかげで滑らかながらも、油性ボールペンらしい重さを両立した不思議な書き心地になっているんです。
ちなみにこの芯は、ゴリアット芯・ゴリアットカートリッジと呼ばれています。

ゴリアット芯の特徴は、その滑らかさだけでなく、その筆記距離にもあります。
カランダッシュ公式サイトによると、その筆記距離はなんと8km。
皇居1周が約5kmなので、1周書き続けてもまだ書き続けられるってことですね。
使い勝手の良い滑らかさと筆記距離の安心感から、見た目とは異なる実用性の高さが感じられます。

エクリドールはいざという時に使うボールペンにしているので、いまだに芯を交換したことないんです……。

シャープペンシルは0.7mmが基本なので使いにくい
エクリドールのシャープペンシルは0.7mmが基本なので、少し日本では使いづらいかもしれません。
これは、シャープペンシルの基準の太さが、日本と世界で異なるのが理由です。
日本では漢字を多用するので、細めの0.5mmが一般的ですが、海外では多くの国でアルファベットなどのシンプルな文字を多用するので、0.7mmが一般的なんです。

ですが、エクリドールにも限定品で0.5mmがラインナップされることがあります。
直近だと、2021年末に発売された「矢絣(やがすり)」という限定品に、日本限定で0.5mmがラインナップされていました。
まだ「矢絣(やがすり)」は在庫が残っている店舗もあるようなので、もし気になっている方は早めの入手がオススメです。


過去には銀座 伊東屋にて0.5mmのエクリドールが通常販売されていたのですが、2022年現在は無くなってしまったようです。
エクリドールではありませんが、「849」には0.5mmがラインナップされているので、そちらを選ぶのも手です。
「849」は豊富なカラーラインナップが用意されているので、自分にあった一本を探して選ぶのが楽しいんです。
ボクもブリュットロゼと呼ばれるピンクゴールドのボールペンを1本所有しています。


ブリュットロゼの登場時は、シャープペンシルがラインナップされていなかったんです……。
エクリドールは高級筆記具ゆえに高価ですが、849は相対的に値段が抑えられているので、カランダッシュの世界観を試してみるのにはピッタリです。
>> Amazonで「849の0.5mmペンシル」を調べてみる


849はエクリドール以上に豊富なラインナップがあるので、きっとあなたにピッタリの849が見つかりますよ。
カランダッシュ エクリドールのよくある疑問
エクリドールのよくある疑問について、お答えします。
- 本体のお手入れはどうやるの?
- 柄・模様は何種類あるの?
本体のお手入れはどうやるの?
エクリドールの本体はパラジウムやゴールドでコーティングされているので、サビなどの心配はありません。
しかし表面の光沢が強いので、皮脂などの汚れが目立ってしまいます。
そんな時は、柔らかい布などで表面の汚れを拭き取ってあげると、長期間キレイな状態で利用できます。
スマホを拭いたりするためのマイクロファイバーでも良いですが、こういった繊細なものにはセーム革を用いるのがオススメです。



セーム革は聞き慣れないと思いますが、貴金属や精密機器を拭くのに最適な素材です。
柄・模様は何種類あるの?
エクリドールの柄・模様は、定番品と限定品を合わせると、21種類ラインナップされています。(2022年6月14日現在 カランダッシュ公式サイトより)
定番品(15種類)
- シェブロン
- シェブロン(ゴールドコート)
- シェブロン(ローズゴールドプレート)
- アーバン
- アーバン(ゴールドプレート)
- ライトゴールド
- ミラネーゼ
- フラワーズ
- レトロ
- ゴルフ
- キューブリック
- アベニュー
- ヘリテージ
- バリエーション(ガラスビーズブラスティング&パラジウムコート)
- レーシング(黒色クロムメッキ加工&サンドフィニッシュ)
限定品(6種類)
- やがすり
- サンライト
- スター
- バンブー
- ビクトリアン
- リーニェ
注釈①:コーティングについて記載のないものは、全てパラジウムコートです。
注釈②:ペンシル・ボールペンなどの一部製品のみ用意されている仕様もあります。
現在のラインナップ以外にも、過去の限定品の在庫が残っている場合もあるので、楽天などの通販サイトで確認してみるのがオススメ。
楽天で販売している「万年筆・ボールペンのペンハウス」というサイトは、輸入筆記具の正規代理店などを務める大手サイトなので、安心して探せます。
もちろん、エクリドールの過去の限定品も多少在庫していたりするので、気になった方は是非チェックしてみてください。
>> 「万年筆・ボールペンのペンハウス」でエクリドールのラインナップ・在庫を確認してみる

ペンハウスや品数も価格も満足できるので、ボクも良くお世話になっています。
まとめ:オンリーワンの魅力を持った筆記具

カランダッシュ エクリドールは、オンリーワンの魅力をもった筆記具。
胸ポケットに忍ばせておいたり、営業時にお客様に渡す用途としてもヨシ。
普段から手帳などに挿しておいて、ガシガシ使うのもヨシ。
エクリドールは、そのエレガントなデザインからは想像もできない、実用性の高さが魅力です。
他の高級筆記具とは一線を画すモノなので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
以上、カクタケイ(@kakutakei)でした。


ショップ情報
東京都の銀座一丁目付近に、カランダッシュ 銀座ブティックがあります。
老舗文具店の伊東屋とコラボした店舗で、カランダッシュが扱っている画材から筆記具まで、全ての商品を取り揃えています。
今回紹介したエクリドールはもちろん、文中で紹介した「849」のパーソナライゼーションプログラムなんかもあるので、ぜひ一度訪れてみてください。
