皆さん、どんな筆記具を使ってますか?
『ボールペン』『シャープペン』『鉛筆』
大体の方から、上記の筆記具が出てくると思います。
しかしボクは、これらは基本的に使いません。
なぜならボクは普段から、筆記具には万年筆を使っているからです。

万年筆には、ほかの筆記具にはないメリットが沢山あります。
だからこそボクは、『沢山の人に万年筆を使ってもらいたい!』と考えています。
そこで今回は、万年筆のメリット・デメリットと、初心者にもお勧めの万年筆をご紹介します。
- 思考のアウトプットを頻繁に行う人
- 出来る限り手に負担をかけずに、字を書き続けたい人
- ワンポイントのアクセントにもなる実用品が欲しい人
万年筆は、『思考のアウトプットを止めずに行いたい!』『たくさん文字を書く必要があるんだけど、疲れるから続かないんだよな…』と感じている人にオススメです。
この記事を読むことで、『万年筆とは何か?どんなメリット・デメリットがあるのか?』を知ることが出来ます。購入や検討する際の参考にしてください。
唯一使っていて疲れないのが万年筆のメリット

『万年筆』は、ただ唯一、使っていて疲れない筆記具です。
なぜなら万年筆は、『摩擦を利用しない筆記具』なので、書く為に力を入れる必要がないからです。
万年筆のペン先は『毛細管現象』を利用しており、紙に当てたペン先からインクが出てきて筆記することが出来ます。
ペン先が紙に接してればよいので、ボールペンや鉛筆のように、ペン先を紙に押し付ける必要はありません。
それに加え、ペン先は金属でできており、バネのように筆圧を吸収してくれる効果もあります。
これらのおかげで、『力を入れずに使える=疲れない』というわけです。
万年筆のメリット
万年筆のメリットは全部で4点。『実用面』と『嗜好面』でそれぞれ2点ずつメリットがあります。
早速見てみましょう。
実用面でのメリット2点
思考のアウトプットを快適に行える
思考のアウトプットを快適に行うには、紙とペンが一番です。
なぜなら、『紙とペンに勝るハード・ソフトが存在しないから』です。
思考をアウトプットする時に、何かが要因で手が止まるのは勿体ないですよね。
『書きたいと思ったときに書き出せないことや、芯が折れて筆記が止まってしまう。』
そんなことは紙とペンならありません。
それに加えて、余計な力を入れずに書ける万年筆なら、自分の思考を最大限アウトプットできます。

『書く行為』の気持ちよさを感じさせてくれる
万年筆は、『書く行為』を今より楽しくしてくれます。
【ペン先の太さ】
細字・中字・太字など
【インクの色】
黒・青・赤など
【紙の質】
さらさら・ざらざら・つるつる
万年筆では、ペン先・インク・使う紙の質など、無数の掛け合わせ方があります。
そして、そのかけ合わせ方はほぼ無限大です。
つまり、書き味も無限大です。
『たかが書く、されど書く。』
自分好みの書き味を見つけると、『書く行為』が楽しくなります。
万年筆を使いたくなった結果、アウトプットが活発になればより効果的ですよね。
コラム:とても鮮やかなインクもあります
日本のパイロットから発売されている『色彩雫(いろしずく)』というインクです。(パイロットは『FRIXION(フリクション)シリーズ』を販売している大手文具メーカーです。)
日本の四季などにインスピレーションを得て作られた、色鮮やかなインクです。
インクには日本名が名づけられているのが特徴です。ボトルごと飾っておくだけでもキレイです。
嗜好面でのメリット2点
自分のモノになる
万年筆は、使えば使うほど自分のモノになります。
なぜなら『ペン先が使用と共に少しずつ削れていき、自分の筆記角に最適化されるから』です。
自分の筆記角に最適化されたペン先が生み出す書き味はひっかかりもなく、紙の上を自在に走る筆記感を一言で表すなら『絶品』です。
『万年筆は育てるモノ』とも言われており、ゆっくりと時間をかけて、最高のパートナーに成長します。
クラフトマンシップを感じるモノづくり
万年筆は昔から、装飾品としての側面も持ち合わせています。
万年筆のペン先は『金』か『ステンレス』で出来ており、丁寧に彫りを入れたり、バイカラーにメッキをかけてあるものが多くあります。
中にはペン先を、『クルミのチップを使い、56時間かけて丁寧に磨き上げています。』という万年筆すらあります。
(英)パーカーの『デュオフォールド』という万年筆。ダグラス・マッカーサーなどの多くの著名人が愛用していたことで有名。『100年』の長い歴史を持つ万年筆。
また、軸にカラフルな樹脂や金属を用いているモノもあり、素材の特性上、1つとして同じモノのない万年筆も存在します。
このように、手間暇かけられて作られたものから得られる満足感はとても高く、大切に使っていこうという気持ちが芽生えます。
実際に使って気づいた、良いところ・気になるところ
ボクが実際に万年筆を使って感じた、『良いところ』と『気になるところ』を紹介します。
良いところ

ワンテンポ余裕が生まれる
『キャップを外す。ペン先の向きを見て持ち直す。紙にペン先を当てた瞬間にインクが出るか確認。』
そしてやっと書き始める。
慣れればパッと使えますが、あえて動作に間を置くのもオススメです。
ワンテンポの余裕が出来るので、思考に余裕も生まれます。
所作が一層きれいに見えるのもポイント。
字がきれいに見える
『とめ・はね・はらい』
文字の要素の表現も、ペン先のしなり・たわみがあるので、万年筆なら容易に表現が可能です。
また、文字の要素やインク濃度の変化などがあり、『個性のある字』になります。
文字の要素が表現されている文字は、とてもきれいに見えますよ。
気になるところ

とっさの時に使いづらい
10,000円を超えたあたりから、ねじ式キャップを採用した万年筆が多くなります。
なので、立っている時などには少し使いづらいので、腰を据えられる場所で利用するのをお勧めします。
『色彩雫(いろしずく)』を作っているパイロットから、キャップレスという『ノック式の万年筆』も販売されています。こういったモノならより気軽に使えます。愛用者も多く、絶えず改良され続けているロングセラー商品です。
すこしメンテナンスが大変
万年筆は放置しておくと、インクが固着する恐れがあります。
これは、インクの水分が少しずつ抜けていくからですね。
毎日少しずつでも使うことで内部でインクが動き、固着する可能性が低くなります。
なので、万年筆は『使うことが最大のメンテナンス』と言われています。
また、落としたりしたら修理一直線なので、それも少し気になります。
メンテナンスについては、こちらの記事でもまとめています。
初心者にオススメの万年筆 3選
万年筆を10年近く使い続けているボクが、『初心者にオススメの万年筆 3選』をご紹介します。
パイロット カクノ
『パイロット カクノ』は、日本の『パイロット』というメーカーの商品です。
初心者さんには特にオススメの1本で、間違えた使い方をしないように『グリップ』が作られているのがポイントです。
ペン先にはステンレスが用いられており、初めて万年筆を使う際に起こりがちな強い筆圧を吸収してくれます。
デザインもポップでカラフルなものから、グレーを用いたシックなモノまであり、老若男女問わずにオススメできる一本です。
定価が1,000円の万年筆で、万年筆ではほぼ最廉価なのもポイントです。
Lamy Safari
『Lamy Safari(ラミー サファリ)』は、ドイツの『Lamy(ラミー)』というメーカーの商品です。
商品としての成り立ちは、『パイロット カクノ』とほぼ一緒です。
『カクノはちょっと可愛すぎるかな😅』という方にオススメしやすいデザインです。
同じデザインでボールペンやシャープペンもラインナップされているので、トータルコーディネートも可能になっているのがポイント。
また、毎年限定品が出るのが特徴で、毎年グッと刺さる色を出してきます。
『市場価格:約3,000円前後』と、比較的手ごろなので、大切な方への気軽なプレゼントにもオススメです。
プラチナ万年筆 #3776 センチュリー
『プラチナ万年筆 #3776 センチュリー』は、日本の『プラチナ万年筆』というメーカーの商品です。
この万年筆の一番の特長は『スリップシール機構』を採用していることです。
『スリップシール機構』があることで、使わない状態2年経ってもインクが固まらず使う事が出来ます。
『万年筆…最近使えてないな…🤦♂️』となっても問題ないのが安心感につながります。
『希望小売価格:15,000円』と少し高いのがネックですが、大型の14金を用いたペン先が生み出す絶妙なしなりは、日本語を美しく書くためにあるといっても過言ではありません。
ちなみにボクも#3776を愛用しています。初心者からベテランまで、納得の書き味を持つ万年筆としてオススメです。

まとめ
万年筆は、実用性と嗜好性を兼ね備えた、最高のパートナー
- 『思考のアウトプットに最適』止まらないアイデアを書き続けよう!…力を掛けずに書けるから、思考を邪魔することがない。いつまでも書き続けよう。
- 『ちょっと良いモノをずっと使おう』各々の手に合わせて育つ最高のパートナー。…クラフトマンシップを感じるモノをずっと使おう。より馴染み、絶対に手放せない存在になる。
今回は万年筆についてのご紹介でした。
万年筆のメリットについて、ボクも最初は半信半疑でしたが、実際に万年筆を使い始めると少しずつのめりこむようになりました。
万年筆自体の使いやすさもありますが、やはり職人技により丁寧に作られた万年筆などを見ていると、心が豊かになっていくと感じます。
また、先ほど紹介した『色彩雫』などの美しいインクや、手触りすら気持ちいい紙に出会う事も楽しみになりました。
万年筆を通じて『書く行為』に魅せられていったボクは、それまでは嫌いだった勉強を進んでするようになりました。
そこで勉強を始めたからこそ、今のボクがあります。
あの時万年筆に出会っていなければ、今のボクも、このブログも存在しないでしょう。
万年筆は『書く行為』を通じて、人生をより豊かにしてくれる存在です。
皆さんも是非、手に取ってみてください。

万年筆は敷居が高いと思いがちですが、そんなことはありません。
1,000円からでも始められます。
1回だけでもいいので、手に取ってみませんか?
余談:ボクが万年筆に興味を持ったのは、この動画が原因
『Namiki Falcon(ナミキ ファルコン)』という万年筆を用いて、カリグラフィを行う動画です。
ただそれだけなのですが、運筆やインクの変化、紙とペン先が触れ合う音がなんとも気持ち良く、美しいです。紙の上で、万年筆が踊っているような感覚になります。
5分程度の動画なので、是非一度、音も含めてご覧ください。
※この動画中の万年筆は特別にカスタムされたものです。絶対にマネしないでください。