こんにちは、けいたろー通信のカクタケイ(@kakutakei)です。
ここ最近、1万円前後の完全ワイヤレスイヤホンが増加中。競合ひしめく激戦区となっており、よほどこだわりがない限り、その価格帯でも十分に満足できるものが手に入るようになりました。
とはいえ、それ以上に音がいいイヤホンを狙おうとすると3万、4万円は当たり前。1万円は出せても、4万円となると厳しいですよね……。
それでも、もっといい音のイヤホンが欲しいんだっ!
そこでオススメなのがHUAWEI FreeBuds Pro 3。スマホメーカーのHUAWEIが作る、フラッグシップ完全ワイヤレスイヤホンです。
11mmのダイナミックドライバーとマイクロ平面振動板ドライバーのデュアル構成、LDAC対応、強力なアクティブノイズキャンセリング、2台のマルチポイント接続、触覚フィードバック付きタッチセンサーなど、全部盛りのスペックながらも2万円台に収まっているコスパの高さが魅力。
肝心の音も、デュアルドライバーを生かして低音から高音までしっかりと鳴らしており、だれが使っても確実にわかるいい音に仕上げられていました。
この記事ではHUAWEI FreeBuds Pro 3の特徴や使用感について、詳しくレビューしていきます。
HUAWEI FreeBuds Pro 3の特徴・仕様
HUAWEI FreeBuds Pro 3の特徴・仕様について紹介します。
商品名 | HUAWEI FreeBuds Pro 3 |
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ケースサイズ | 約46.9 × 約65.9 × 約24.5 mm |
重量 (イヤホン単体) | 約5.8g |
重量 (充電ケース) | 約45.5g |
ドライバー | 11mm ダイナミックドライバー マイクロ平面振動板ドライバー |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC AAC LDAC L2HC2.0 |
防水防塵 | IP54(イヤホンのみ) ※ケースは防水非対応 |
カラーリング | セラミックホワイト シルバーフロスト グリーン |
価格 | 28,800円 |
今回紹介するHUAWEI FreeBuds Pro 3のカラーはセラミックホワイト。名前の通り、陶器のような高級感のある白いボディを採用しています。
セラミックホワイトはツヤツヤのボディですが、他カラーリングのシルバーフロストとグリーンは艶消し仕様。
ツヤありだとキズが目立ちやすいので、キズや汚れなどの使用感が気になる人はセラミックホワイト以外を選ぶのがオススメです。
表面はLEDインジケーターのみのシンプルさでしたが、背面にはナノガラスにHUAWEIのロゴが入っている高級感ある仕様になっています。
ケースサイズは手のひらにすっぽり収まってしまうほどコンパクト。先代FreeBuds Pro 2より4.5%小型化、5%軽量化されており、持ち運び時にポケットやバッグにも入れやすいです。
ケースの開口部は斜めにカットされているため、イヤホン本体が大きく飛び出ていて取り出しやすくなっています。
完全ワイヤレスイヤホンは取り出し時に手が滑って落としてしまうこともあるので、大開口で取り出しやすいのはシンプルに使いやすいです。
地味なところですがステム(うどん)がケースの外側にある配置になっているので、ケースから取り出して回転させることなく耳につけられるのもGood。
ステムがケースの中央側になっていると装着時や収納時に指で半回転させる必要があるので、落としてしまう可能性あるんですよね。これなら安心です。
イヤホン本体もセラミックホワイトのカラーリングらしい高級感のあるもの。さりげなくメッキが使われていて、耳元でさりげなく主張するデザインです。
HUAWEIのロゴ入りプレートの部分は本体色やケース色とは少しだけ異なる白になっており、よりセラミックホワイトのカラーリングらしさを感じさせてくれる色味になっています。
デザインへのこだわりがすごい!
タッチセンサー部分はくぼみのあるデザインになっているので、触った瞬間にセンサー位置がわかるようになっているのがGood。
この部分をクリック・長押し・スワイプすることで、再生停止や音量の上げ下げなどのショートカット操作が行えるようになっています。
イヤーピースはXS・S・M・Lの4種類が付属。取り付け部分は専用形状になっています。
良好な音質やアクティブノイズキャンセリングの実力を発揮するためには、耳に合った最適なサイズのイヤーピースを使うのが必要不可欠。4サイズもあるので、ピッタリのサイズがなくて困ることはなさそうです。
HUAWEI FreeBuds Pro 3を装着してみると、耳にまんべんなく当たることで装着時の違和感を軽減。
しっかりとフィットしているので装着感はほとんどなく、装着中に動き回ってもズレてしまうこともありませんでした。
HUAWEI FreeBuds Pro 3の性能をフルに活用するなら、HUAWEI純正アプリ「AI Life」が必須。
イコライザー設定やタッチセンサー設定、Bluetoothの伝送設定、ソフトウェア更新などの使い方にかかわる重要な設定ができるので、インストールしておくのがオススメです。
11mmダイナミック&マイクロ平面振動板のデュアルドライバー構成
HUAWEI FreeBuds Pro 3は11mmのダイナミックドライバーとマイクロ平面振動板ドライバーのデュアルドライバー構成を採用。
2つのドライバーを組み合わせることで、14Hz〜48,000Hzまでの広い再生周波数帯域をカバー。ハイレゾオーディオワイヤレスの認証も取得しているので、音の仕上がりは折り紙付きです。
特にマイクロ平面振動板ドライバーはマグネットにハルバッハ配列(磁界を片側に集中させて磁力を強化する配列)を採用することで、性能を最大限に引き出しているのが特徴です。
ハルバッハ配列(Halbach array)またはハルバック配列とは磁化方向を回転させて最適化することによって特定の方向への磁場強度を最大化する磁気回路。片側に正弦波状の磁束が集中し、その反対側に磁束がほとんど発生しない特徴がある。
出典:NeoMag用語集
ドライバーがハイレゾ対応しているならコーデックももちろんハイレゾ対応。LDACとHWA(L2HC2.0)の2種類のコーデックに対応しており、対応しているスマホなら高音質なハイレゾ音源を持て余すことなく表現できます。
ほかにも、外耳道や装着状態を含めてリアルタイムで音響を調整するトリプルアダプティブEQも搭載されているため、どんな環境・シーンでも最適な状態で音楽を楽しめるように設計されています。
「ハルバッハ配列」は10年ほど前には「歩留まりが悪く量産に向かない」と言われていた技術。しれっと書かれていたので思わず二度見しました。HUAWEI、凄すぎないですかね……。
強力なアクティブノイズキャンセリングと実用的な外部音取り込み
HUAWEI FreeBuds Pro 3はインテリジェントダイナミックANC3.0と呼ばれる強力なアクティブノイズキャンセリングと、実用レベルの外部音取り込みに対応しています。
イヤホンの内外についたトリプルマイクで耳の内外のノイズを識別することで、アクティブノイズキャンセリングの効果をリアルタイムで調整。先代のFreeBuds Pro 2比でノイズキャンセリング性能は50%も向上しました。
ノイズキャンセリングをオンにするだけでスッと雑音のほとんどが収まるほどの強さで、AirPods Proと同レベルの強力なノイズキャンセリングだと感じました。
外部音取り込みも実用的で、装着時と非装着時の音量差はほとんどないように感じるほど。
わずかにホワイトノイズが乗っているような印象がありますが、コンビニやスーパーでのちょっとした会話や、人が多い場所を安全に歩くなんてことはまったく問題ありませんでした。
付属のイヤーピースはXS〜Lサイズの4種類。より耳に合ったものを選ぶことで、ノイキャンと外部音取り込みの効果を最大限発揮できます。
DNN通話ノイズリダクション2.0でノイズレスの通話が可能
HUAWEI FreeBuds Pro 3はDNN通話ノイズリダクション2.0に対応。3つのマイクと骨伝導VPUセンサーを兼ね合わせることで、通話中の騒音をしっかりとカットしてくれます。
先代FreeBuds Pro 2と比べてみても、環境音のノイズキャンセリング性能は5db強く、風のノイズキャンセリング性能は80%も向上しました。もちろん声の集音能力も先代比で2.5倍になりました。
実際に電車の高架下(車通り多め)で通話してみましたが、こちら側の騒音は聞こえず、ボクの声もほとんどクリアに聞こえていたとのこと。
他のイヤホンでは高架下はさすがに厳しいものが多いので、HUAWEI FreeBuds Pro 3のノイズリダクションの性能の高さには驚きです。
これならどんなシーンでも気にすることなく相手と通話できそうです。
IP54の防水防塵で普段使いにも最適
HUAWEI FreeBuds Pro 3はIP54の防水防塵に対応。ワークアウト時の装着や、急な雨があってもまったく問題なし。
汚れてきたら濡れたタオルなどで拭いても大丈夫なので、イヤホンをいつまでも清潔な状態で使えますね。
ケース込みで最長約31時間のバッテリー持続時間
HUAWEI FreeBuds Pro 3のバッテリー持続時間は、本体のみ最長6.5時間、ケース込みで最長31時間です。
充電方法は2種類で、USB-Cケーブルでの有線充電もしくは最大2Wでのワイヤレス充電が行えます。
USB-Cでは約1時間、ワイヤレスでは約150分ほどで充電が完了するので、就寝時や入浴時などに充電しておくだけで十分なバッテリー持ちです。
イヤホン本体はケースに入れておけば、40分で0%からフル充電できます。
最大2台までのマルチポイント接続対応
HUAWEI FreeBuds Pro 3は最大2台に接続できるマルチポイント接続に対応。
私用スマホと仕事用スマホなどを同時に待機できるので、仕事中に保育園や親族からの急な電話があっても大丈夫。
ボクはスマホとタブレットに接続することで、外出先ではスマホ、自宅ではタブレットでアニメや映画などを楽しむために活用しています。何も考えず同じイヤホンを使えるのでめちゃくちゃ快適です。
HUAWEI FreeBuds Pro 3のレビュー
HUAWEI FreeBuds Pro 3を実際につかって感じたことをレビューしていきます。
HUAWEI FreeBuds Pro 3の良いところ
HUAWEI FreeBuds Pro 3の良いところを4つ紹介します。
音がマジでいい。スマホメーカーだと侮れないクオリティ
HUAWEI FreeBuds Pro 3の音は、全体的な傾向は万人向きといった感じで、だれが聴いても満足できるバランスの良い音だと感じました。
ただ、それが無個性で無難という意味ではまったくなく、「1つ1つの音はしっかりと分離していながらもバラバラにならない」「モニターらしい表現力がありながらも、カジュアルに音楽を楽しめる」といった印象に仕上げられていて、2万円台の価格はバーゲンプライスだと感じるほどの音。
より上位の競合製品すら相手にできるほどクオリティの高いものなんです。
提供いただいた製品に対してベタ褒めするのは「いかにもなPR感」があるものになってしまいますが、それでもベタ褒めしたくなるほどの良い音だったんです。
ダイナミックドライバーが奏でる低音は、深く沈み込む低音らしさとガツンとくる強さがあり、B.B.K.K.B.K.K.(nora2r)を聴いた際には終始ガツンとくる低音を楽しめるのが好印象でした。
平面振動板ドライバーが奏でる高音は透き通るような抜けの良さのあるもの。糸(花譜)ではウィスパーボイス寄りのボーカルの空気感まで表現されており、まるで目の前、耳元で歌っているかのように感じられるほどです。
そしてその2つをまとめあげるHUAWEIのチューニング。
ドライバーが増えれば各々に得意な帯域を任せられて音作りの幅が広がる反面、それをうまくまとめ上げて1つの音楽としてならす必要がでてきますが、HUAWEI FreeBuds Pro 3ではすべての帯域の音が破綻もなくまとめられており、全体のバランスが良い音だと感じました。
音の定位もわかりやすく、それぞれの音がどこでなっているのかを忠実に感じ取れるほど。実際に自分の周囲で音がなっているかのよう……とまでは言い過ぎにも感じますが、本当にそう思えるほどの定位の良さです。
定番の曲でも流行りの曲でも、曲調や使われている楽器を問わずにどんな音楽でも楽しめるオールマイティさを持ちながら、表現力の高さも持ち合わせている、さすがはフラッグシップだなと思わせてくれる完成度だと感じました。
イコライザーを適用してもまったく破綻せずでした!自分好みの音に調節しても問題なく楽しめます!
上記はLDAC接続でALAC音源を再生した上での印象なので、一般的なSBC接続に切り替えても確認してみました。
が、体感はほぼ変わらずといったところ。コーデックの問題で音源は一部が損失しているはずですが、体感はほとんど変わらず、曲や音の印象はいわずもがな優秀。
apt-Xには非対応なのがスペック上のネックではありますが、これならどんな機器と接続しても満足した音を鳴らしてくれそうです。
余談ですが、先代FreeBuds Pro 2では仏Devialet(デビアレ)とコラボして音響チューニングを行っていましたが、今作のFreeBuds Pro 3ではHUAWEI独自での開発に移行。
音響メーカーのチューニングがなくなったことで「音質は大丈夫かな?」と少しだけ気になってはいましたが、実際に使ってみればその心配は杞憂なものでした。
初めて音を聴いた時から、「これはすごいわ……」と感心してしまいました。オーディオ屋じゃないのにこの実力は強すぎです。
強力なノイキャンのおかげで普段使いにピッタリ
HUAWEI FreeBuds Pro 3のアクティブノイズキャンセリングはかなり強力。通勤通学をはじめとする日常生活の騒音をガッツリカットしてくれるので、普段使いにピッタリです。
電車に乗っている際ののガタンゴトンという音や、室内のエアコン・換気扇などの低めの騒音はほとんどなくなりますし、市街地やショッピングモールでの人の足音も同様にほとんど聞こえなくなります。
耳に突き刺さるようなボリュームのアナウンスや、フードコートなどでの人の話し声といった、高音・大きすぎる音は多少抜けてくる印象ですが、むしろ聞こえてくるのはそれくらいといった感じ。
音楽をかけてしまえばほどんどの音が埋もれて聞こえなくなるくらいの音量まで騒音をグッと抑えてくれるので、どんな環境でも何にも邪魔されずに音楽を楽しめます。
ここまで強力なアクティブノイズキャンセリングは、発売当初のAirPods Proくらい衝撃的。外した時には周囲の音が「うるさっ」と感じてしまうほど騒音をカットできるので、デジタル耳栓としてもオススメできるほどです。
人が多い場所では周囲の人の感覚がなくなってしまうほど強力なので、できれば外しておいた方がいいほどです。
操作性が良いのでストレスがない
HUAWEI FreeBuds Pro 3の操作は触覚フィードバック付きのクリック操作なので、操作性の良さは最高レベルとも言えるもの。誤操作のストレスがなくとても快適です。
タッチセンサーだけだと「ダブルタップしたとおもったらシングルタップになってた……」なんてことがありますが、触覚フィードバック付きのクリック操作は明確に操作しようとしない限り反応しないので、誤作動はほぼありません。
もうタッチセンサーだけの完全ワイヤレスイヤホンには戻りたくありません。
盛り盛りのフル機能なのに2万円台
HUAWEI FreeBuds Pro 3は手の込んだデュアルドライバー・強力なANC・触覚フィードバック付きの操作性・IP54の防水防塵・マルチポイント接続などと、機能面ではこれでもかという盛り盛りのスペックながら、価格は2万円台。
昨今の他社製ハイエンドが軒並み3万円〜5万円になりつつあることを考えると、HUAWEIのフラッグシップながらも2万円台に収まっているのはかなりの超コスパだと感じます。
1万円台のエントリー製品から乗り換えるのには最適な選択肢のうちの1つです。
HUAWEI FreeBuds Pro 3の気になるところ
HUAWEI FreeBuds Pro 3の気になるところを1つだけ紹介します。
バッテリー駆動時間が気持ち短め
HUAWEI FreeBuds Pro 3のバッテリ持続時間はANCオンでは最長約4.5時間。通勤・通学時にのみ使うスタイルなら良いですが、1日中フルタイムで使おうとすると心許ないバッテリー持続時間です。
イヤホン本体は0%からのフル充電でも40分と短めなので、昼休憩などのちょっとしたタイミングでケースに戻しておけば大丈夫そうですが、運用に工夫が必要になるのも事実です。
競合のAirPods ProやSONY WF-1000XM5などはANCオンでも6時間ほどの駆動時間なので、やはり少しバッテリー持続時間が伸びてくれれば文句なしになるんですが……。
連続で4.5時間も使い続けるのは日本=ハワイ間のフライト(6時間)や東京=博多間の新幹線移動(5時間)くらいだと思うので、実際の運用上はそこまで気にならないかもしれません。
他のスペックが本当に優秀なので、これだけは「惜しい!」と感じてしまいます。
HUAWEI FreeBuds Pro 3はこんな人にオススメ
HUAWEI FreeBuds Pro 3は2万円台ながらも全部入りを実現したコスパの良さが魅力の完全ワイヤレスイヤホン。
機能ばかりではなく音の作り込みまでしっかりと行われており、どんな系統の音楽を聴いても満足できるクオリティに仕上げられています。
価格も他社ハイエンド製品にくらべてみれば割安なので、1万円クラスの完全ワイヤレスイヤホンからのステップアップに最適。
しいていえば、バッテリー持続時間がアクティブノイズキャンセリングオンで約4.5時間と競合製品より短めなのが、スペック上では気になるところです。
HUAWEI FreeBuds Pro 3のレビューまとめ
HUAWEI FreeBuds Pro 3をレビューしました。
HUAWEI FreeBuds Pro 3はHUAWEI渾身のフラッグシップイヤホン。全部盛りながらも2万円台に収めてきており、改めてコスパの高い製品を作るメーカーだったことを思い出させてくれます。
他社製品の追従を許さないほどのクオリティで仕上げてきており、ワンランク上の競合製品ともバチバチに火花を散らせるレベルの良製品です。
そもそもHUAWEIがスマホメーカーであることを忘れてしまうほどです。
デザイン・音・使い勝手の全てにおいて価格以上の仕上がりになっているので、今までHUAWEIのイヤホンには注目していなかった人も、ぜひ1度家電量販店などで体験してみて欲しい製品です。
以上、カクタケイ(@kakutakei)でした。