「MacBookが欲しい!」と思いつつも、仕事でどうしてもWindowsが必要。
そんなことから、しばらく前にSurface Laptop Goを購入しました。

アルミを多用したデザインや、Windows OSを作るMicrosoftが開発した立ち位置は、MacBookととても似ています。

優れたデザイン、実売10万円以下、最大13時間持続するバッテリー、必要十分な性能。
スペックだけ見たコストパフォーマンスの良さから購入しましたが、実際に使ってみると、まさかのバッテリーが意外と持たないことに気付きました。
結果的にMacBook Pro 13インチを購入し移行しましたが、バッテリーさえ持てば十分使えるノートパソコンでした。
今回は、実際にSurface Laptop Goを使って感じた事を、ありのままにまとめています。

このパソコンがあるからMacBookに移行できたってのもあったりします。

Surface Laptop Goとは

Surface Laptop Goは、Microsoftが販売するエントリー向けノートパソコンです。
とはいえ、アルミを一部に用いた筐体やタッチパネル液晶の搭載、Microsoft Officeの標準搭載などもあり、エントリー向けながらも少々高めの価格設定になっています。
高級感とブランド力を重視した立ち位置で、所有する満足感も満たしてくれる製品です。

洗練されたデザインが魅力の製品です。
ボクが購入したスペック
ボクが購入したのは、ストレージ容量が256GBの最上位モデルです。
クラウドで容量をセーブしながら使う予定でしたが、ストレージ容量が多い方が安心なので、256GBのモデルを選びました。
カラー | サンドストーン (アイスブルー・プラチナもあり) |
ディスプレイ | 12.4インチ 1,536 x 1,024ピクセル 10点マルチタッチ |
プロセッサ | 第10世代 Intel Core i5 プロセッサ – 1035G1 |
バッテリー駆動時間 | 通常のデバイス使用で最大 13 時間 |
メモリ | 8GB (4GBのモデルもあり) |
ストレージ | 256GB SSD (64GB eMMC・128GB SSDのモデルもあり) |
サイズと重量 | 高さ:15.69mm 幅:278.18mm 奥行き:205.67mm 重量:1,110g |
ちなみに、間違っても64GBストレージ・メモリ4GBのモデルは購入しないようにしましょう。
ストレージ・メモリともに不足気味で、動作のカクつきや、保存容量不足などの不満が出る可能性が高いです。
2022年6月15日追記:Surface Laptop Go 2が発売されました

2022年6月、待望のSurface Laptop Go 2が発売されました。
基本的なデザインは踏襲され、変更があったのは内部のCPUやカラーリングです。
変更点は以下の通りです。太字になった部分が変更された箇所です。
Surface Laptop Go | Surface Laptop Go 2 | ||
---|---|---|---|
カラーリング | プラチナ アイスブルー サンドストーン | プラチナ アイスブルー サンドストーン セージ | |
CPU | 第10世代 Intel Core i5-1035G1 | → | 第11世代 Intel Core i5-1135G7 |
ストレージ/メモリ | 64GB/4GB 128GB/8GB 256GB/8GB | 128GB/4GB 128GB/8GB 256GB/8GB | |
バッテリー駆動時間 | 13時間 | 13.5時間 |
CPUと最下位モデルのストレージがアップグレードされたというのが大きなポイント。
また、セージと呼ばれるアーミーグリーンのような色が追加されています。

性能が順当にアップグレードされているので、今から購入するなら新型のSurface Laptop Go 2一択です。
ただ、バッテリー駆動時間が0.5時間しか伸びていないのが少し気になるポイント。
実際の駆動時間は、旧型のSurface Laptop Goと大きく変わらない可能性が高いです。

Surface Laptop Goのフォトレビュー
それでは、実際にSurface Laptop Goを見ていきます。
選んだのはサンドストーンという、ピンクとベージュが合わさったようなカラーです。
サラッとしたマット仕上げになっており、色味と合わさって上品な印象です。

天面とキーボード面にはアルミが用いられており、エントリー向けとは思えない品質をしています。
他のSurfaceシリーズとそろえたデザインになっているので、エントリーといえども所有感は満たせるデザインです。
天面のMicrosoftロゴは、鏡面仕上げになっています。

左側面にはUSB端子が2つ(USB-Aが1つ、USB-Cが1つ)、3.5mmヘッドフォンジャックが搭載されています。
右側面にはSurfaceコネクタと呼ばれる、充電用の専用端子が搭載されています。
端子が少ないので、USBハブを用いたり、Bluetoothの活用は必須になってきます。


わずかに手前に向けて薄くなっているクサビ形のデザインで、軽快さを感じさせてくれます。
天板や側面などはほとんどフラットになっています。

上位のSurface Laptop 4などは底面もアルミを用いていますが、Surface Laptop Goの底面は樹脂製になっています。
底面の樹脂とすべり止めのゴムはボディカラーに合わせてあるので、コストカットしつつもしっかり凝っているなぁと感心します。

Surface Laptop Goには、開くためのくぼみなどはありません。
モニター側とキーボード側にわずかな段差があるので、そこに指をひっかけるイメージです。


デザイン的にはオシャレですが、少し使いにくいかも。
Surface Laptop Goを開きました。
ディスプレイが一般的な16:9の横長ではなく、3:2のスクエア寄りの比率なのが良くわかります。

ディスプレイの上部にはカメラやセンサーが内蔵されています。
Web会議などにも使える品質のカメラなのが嬉しいですね。

モニターは10点マルチタッチに対応しているフルフラット液晶です。
カメラやベゼルの段差がないので、とてもスッキリとした印象です。
表面はツヤツヤなので、映り込みは強めです。
タッチパネル液晶が汚れや反射が気になる人は、アンチグレアフィルムを張り付けると解決します。

ディスプレイに近寄ってみると、アイコンのギザギザが見えるのに気づきます。
ですが、かなり近寄らないとギザギザに見えないので、エントリー向けノートパソコンの中でも良いディスプレイです。

キーボードは一般的なJISキー配列ですが、エンターキーの幅が細めになっています。
最上段はファンクションキーとショートカットキーを兼ねている仕様です。

電源ボタンは最上段右側2番目で、指紋認証も兼ねています。
キーボード上に電源ボタンがあるので、タイピング中に押し間違えないよう、硬めのボタンになっているのに驚きました。


ノートパソコンなのにDeleteキーが実装されていることにも驚きました。
キーボードは、バックライトがないシンプルなタイプです。
サラッとしたタッチ感で、多少汗ばんだ手でタイピングしても、いやな感触などはありませんでした。

タッチパッドは比率的に小さめに見えますが、十分実用的な大きさです。
サラッとした触り心地で、滑らかにカーソルを動かせます。

Surface Laptop Goはファンが搭載されており、排気口はモニターヒンジの裏側に隠されています。
吸気はキーボード面のスキマから行いますが、手を当てていても吸われる感じはほとんどありませんでした。


エントリー向けながらも、使いやすさやデザインにこだわって作っているなと感じます。

Surface Laptop Goの気になる点・デメリット
まずは、Surface Laptop Goを実際に使って感じた気になる点・デメリットを紹介します。
その①:バッテリーが6時間ほどしか持たない
Surface Laptop Goの公称バッテリー持続時間は13時間ですが、実際に使ってみると、おおむね6時間程しか持ちませんでした。
ボクが普段行うのは、主にブラウザを用いた作業がメインで、パソコンで行う作業にしては軽負荷の部類です。
バッテリー持続時間は使用状況に依存するので、以下に使用時の設定などをまとめました。
普段の使用状況について
電力モード | 省電力モード(常時) |
画面輝度 | 50%前後 |
ボリューム | 0% |
Wi-Fi | オン (常時Wi-Fi接続) |
Bluetooth | オン (マウス使用) |
クラウドなどの同期 | なし |
使用状況 | ・ブラウザ(Edge)でブログ執筆 ・ブラウザのタブは最大5個程度 ・動画や音楽再生はしない ・まれにスリープさせるが、基本は連続使用 |
基本的には、バッテリーをセーブするように心がけて使っていました。
12時に使い始めて17時半に残量10%以下になるパターンが多く、まれにバッテリー切れになってしまうこともありました。
毎日同じ状況だったので、夕方には「そろそろダメだろうな…」とストレスを感じながら使っていました。

バッテリーを気にしながら作業しなくちゃいけないのは、地味にストレスでした。
これだけだと少々信憑性に欠けるので、実際のバッテリー残量の変化を見てみましょう。
起動した16時時点のバッテリー残量は、89%です。
起動して少し触った後、すこし放置したりスリープさせます。

次に開いたのは21時。
この時点のバッテリー残量は、80%です。
ほとんどスリープだったはずなのに、なぜか9%もバッテリーを使用しています。
また、このタイミングでWindows Updateが来ていたので、バッテリーの減りを確かめるために行います。

Windows Updateが終わり、再起動が終了したのは22時。
この時点のバッテリー残量は、なんと66%まで減っています。
少し負荷のかかる作業ではありますが、なんと14%もバッテリーを使用してしまいました。

以上のことから、Surface Laptop Goのバッテリー持ちがあまりよくないのが分かります。

Windows Updateは少し高負荷ですが、それでも1時間で14%は減りすぎです…。

念のためバッテリーの劣化を疑ってみましたが、まだ新品時の96%の容量が確認できました。
バッテリー持続時間について、ボクは「6時間じゃ足りない」と感じましたが、人によっては「6時間も持てば十分」と感じることもあります。
その感覚は人によって異なるので、使い方と照らし合わせて考えると良いですよ。

短いといえども6時間は持つので、半日程度の外出だったらギリギリなんとかなります。
その②:マシンパワーは必要十分レベル
Surface Laptop Goのマシンパワーは、一般的なパソコン作業では十分なレベルです。
ワードやエクセル、ブラウザの閲覧などでカクつくことはほとんどありません。
パワーを使う事もなく、熱もあまり出ないので、ファンも「シューン」と静かに回っているだけです。

軽く書類を作ったりするだけなら十分です。
ですが、複数のソフトを立ち上げたり、画像編集ソフトなどのパワーが必要な作業を行おうとすると、話は変わります。
実際にボクが使って感じたのは、ブラウザのタブを5個開いて作業していると少しずつ熱を持ち始め、ファンの音が大きくなることが多かったんです。
似た条件(ブラウザのタブ5個で作業)で、タスクマネージャーを確認してみると、CPUのグラフが乱高下していました。
どうやら、何か操作しているタイミングでCPU使用率が跳ね上がるようです。

また、ブラウザのタブ5個と常駐ソフトだけで、メモリも常に49%使用していました。
この状態では、一つひとつの動作にワンテンポの遅れを感じ、動作のカクつきが感じられるようになっていました。
これらの事から、複数のソフトを立ち上げて作業するのは、少し厳しめな印象です。

「必要十分=あんまり余裕はない」ってことなんです。
上記とは別に、Adobe Photoshop CS6という画像編集ソフトをインストールして使ってみようとしましたが、明らかにスペックが足りずにカクついてしまいました。
その時はファンも限界スピードで回っていたようで、少しうるさいと感じるほどでした。
Surface Laptop Goのスペックは、多くの人が不満を持たないところに落とし込まれています。
高負荷な作業は厳しいですが、資料作成やオンライン会議などなら、十分快適に行えるスペックです。
「これ1台でなんでもできる」というわけではありませんが、大体の作業を無難にこなせるイメージが丁度良いでしょう。

「外出時だけ使えればOK」なんてイメージなら全く問題ないスペックです。
Surface Laptop Goの良い点・メリット
続いて、Surface Laptop Goを実際に使って感じた良い点・メリットを紹介します。
その①:キーボードが使いやすい
Surface Laptop Goの一番気に入っているところは、キーボードが使いやすい事です。
いくつか理由があるので、ひとつずつ解説します。

Surface Laptop Goのキーボードの使い心地は最高です。
レイアウトは一般的なJISキーボードと同様ですが、スペースキーの両サイドが「英数」「かな」キーに変更されています。
このおかげで、「日本語入力したいのに、アルファベットで全部入力しちゃった…」なんてことが無くなります。


日本語入力する前に「かな」キーを押しておくだけで、ミスが無くなるんです。
ちなみに、今までの「半角/全角」キーも残されているので、無理にこの特殊なキー配列を使いこなす必要はありません。

キーピッチは約19mmで、成人男性の手でタイピングしても使いやすい間隔です。
このブログを書く為にタイピングしていても、間違って横のキーを押してしまう事はほとんどありませんでした。

キーストロークは約2mmで、タイピングしていて疲れない柔らかいタッチ感になっています。
タイピング音も静かで、「カチャカチャ」と耳障りな音はならず、「パタパタッ」と柔らかい音がするくらいです。


ノートパソコンのキーボードと考えると、とても優秀だなと感じます。
その②:USB-Cから充電できる
Surface Laptop Goは、専用の充電器以外にUSB-C端子からも充電できます。

もし専用の充電器からしか充電できない場合、その充電器を持ち運ばないと、外出先で充電できずに困ってしまいます。
やはり出かける際の荷物は、極力少ない方が楽ですよね。

出かける際に専用の充電器を持っていくのは、大変すぎます。
また、専用の充電器が壊れてしまうこともあります。
専用品は価格が高いので「もし断線などで壊れてしまったら」と考えると、持ち運ぶのも気がかりになってしまいますよね。
ちなみに、Surface Laptop Goに使える充電器は、Microsoft公式ストアにて11,528円で販売されています。

昔使っていたノートパソコンが専用の充電器だったので、持ち運びが面倒だったのを覚えています。
さらに嬉しいのは、モバイルバッテリーから充電できることです。
出力が39W以上とかなり限られますが、いざというときに備えられる安心感がありますよね。
以下のAnkerの充電器なら60W出力まで対応しているので、もし探すのが大変だったらこれを選べば大丈夫です。

Surface Laptop Goの競合は?
Surface Laptop Goの唯一の弱点「バッテリー持続時間の短さ」を基準に、競合品を選びました。
以下の2モデルはどちらも、公称17時間以上のバッテリー持続時間を持っているノートパソコンです。

実際にボクが買い替える際に悩んだ対象です。
Surface Laptop 4 13.5インチ Ryzen5搭載モデル

まずオススメしたいのは、Surface Laptop 4 13.5インチモデルです。
AMD Ryzen 5を搭載したモデルなら、公称バッテリー持続時間は最長19時間。
Surface Laptop Goは公称13時間だったので、Laptop 4なら1.5倍バッテリーが持つ計算に。
もしLaptop Goが実質6時間だったと仮定しても、9時間は持続するポテンシャルを持っています。
性能もLaptop Goよりグッと上がるので、全体的にストレスを感じずに使えます。

最初からLaptop 4を購入していれば、バッテリーや性能に悩まされることはなかったのかも。

MacBook Air / Pro 13インチ

「バッテリー持続時間がとにかく大事!」という人には、MacBookがオススメです。
Windowsではないので明確な競合品ではありませんが、M1チップのMacBook以上にバッテリーが持続するノートパソコンはほとんどありません。

意外とWindowsと変わらずに使えるんですよ。
ほとんどのソフトはMac版や代替ソフトがでていますが、一部代用できないソフトもあります。
例えば、ワードやパワーポイントなどはGoogle DocsやGoogle Slidesなどで代用すればよいですが、企業で用いられるマクロ入りのエクセルなどの代用は少々厳しいです。

意外とMacでもなんとかなる場面は多いですが、抵抗感がある人もいるはず。
使い方にもよりますが、バッテリーの持ちが最優先ならMacBookを検討してみましょう。
実際にMacBook Pro 13インチを購入して使っていますが、公称20時間のバッテリー持続時間通りのバッテリー持ちです。
レビュー記事に使い勝手などをまとめているので、気になった方は是非チェックしてみて下さい。


まとめ:足りないのはバッテリーだけ

Surface Laptop Goのレビューでした。
余裕はないながらも実用出来るマシンパワーや、使いやすいキーボードなど、気に入っている部分も多いです。
ですが肝心のバッテリーの持ちが悪く、外出して1日使おうとすると、どうしても途中で充電する必要が出てきてしまうのだけが残念です。
12.4インチのサイズ感や1.1kgの重量から、「持ち運び用のサブ機としては十分」だと、使わなくなってしまった今でも感じています。

普通に使って1日持つバッテリーさえあれば、完璧なノートパソコンです。
