- 『万年筆を使ってみたいけど、どう選べばいいの?』
- 『カートリッジ式?吸入式?何が違うの?』
- 『結局どの万年筆がオススメなの?』
文房具の世界では、空前の万年筆ブームが起きています。
その影響で『実際に万年筆を使ってみたい。』と思う方もいると思います。
ですが万年筆は奥が深く、少し調べただけだと『結局よくわからない…。』なんてことになりがちです。
この記事ではそんな疑問にお答えします。

今回は『万年筆を使ってみたい』と考えるあなたに、
- 万年筆ってたくさんあるけど、どう選べばいいの?
- 結局どれを買えばいいの?
を、わかりやすく解説します。
この記事を最後まで読んでいくと、万年筆の選び方とオススメの万年筆が分かります。
せっかく万年筆に興味をもったなら、実際に使ってみたいですよね。
それでは、早速解説していきます。

万年筆は使い心地がとてもいい筆記具なんです。
『難しそう』『よくわからない』『どれも同じじゃないの?』
この記事では、そんなハードルを無くしていきます。
万年筆の選び方は?
結論から言うと、万年筆は、たった3つのステップで選んでいきます。
- STEP1:ペン先の字幅
- STEP2:日本製 or 海外製
- STEP3:インクの供給方法
たった3つのステップで考えるだけで、自分にピッタリな万年筆を選ぶことができます。

『あれ、意外と簡単。』そうおもいませんか?
では解説に進みましょう。
STEP1:ペン先の字幅

最初に考えるのは、『ペン先の字幅』です。
なぜなら『基本的に、ペン先の字幅は後から変更できない』から。
『買ったけど、自分の用途に適してなかった…。』なんてお蔵入りさせちゃうのは、もったいないですよね。

メーカー修理に出すことで、交換可能なメーカーもあります。
ですが、結構費用が掛かるので、あまりオススメしません。
具体的な字幅の選び方『自分が書く字のサイズから考える』

『ペン先の字幅』を選ぶには、『自分がどれくらいの大きさの字を書くか?』を考えましょう。
- 普段使う手帳やノートのサイズ
- 自分の文字の大きさのクセ
小さい字を書く人は『細めの字幅』を。大きい字を書く人は『太めの字幅』がオススメです。
具体的な字幅は以下の通りです。
- 細めの字幅:EF・F・FM
- 太めの字幅:M・B・BB

自分が選ぶべき字幅がわかったら、次の選び方に進みましょう!
万年筆の字幅の読み方は、基本的に以下のように決まっています。
代表的な字幅は、こんな感じです。
字幅の表記 | 読み方 |
---|---|
EF(極細字) | エクストラファイン |
F(細字) | ファイン |
FM(中細字) | ファインミディアム |
M(中字) | ミディアム |
B(太字) | ブロード |
BB(極太字) | ブロードブロード |
STEP2:日本製 or 海外製

次に考えるのは、『日本製 or 海外製』です。
これは『日本製と海外製で、ペン先の太さが異なる』から。
特に差が大きいのが『細めの字幅』で、海外製の万年筆は、日本製ほど字幅が細くありません。
海外製の『F』は、日本製の『M』。海外製の『M』は、日本製の『B』に該当します。
『字幅がワンランク太いのと同じ』イメージですね。

これは、書く文字の違いが理由です。
日本は漢字を書くので細いペン先が必要ですが、
海外ではアルファベットなので、あまり細いペン先が必要ないんです。
具体的な選び方『細めの字幅なら日本製がオススメ』

『日本製 or 海外製』を選ぶには、『自分が細めの字幅を重視するか』で考えましょう。
- 小さい字を書く予定がある
- そんなに字のサイズは気にしない
小さい字を書く予定がある人は『日本製』を。字のサイズを気にしない人は『どちらでもOK』です。

まさか字幅で日本製か海外製かなんて、予想もしないですよね。
ここまで来たらあとちょっと。次の選び方で最後です。
STEP3:インクの供給方法

最後に考えるのは、『インクの供給方法』です。
なぜなら、『万年筆を使う手間に直結する』から。
『めんどくさいから使わなくなっちゃった!』なんてなったら、残念ですよね。

ボクですら面倒になって使わなくなりつつあったので、
しっかりと考えて購入する方がよさそうです。
具体的なインク供給方法の選び方『常用したい人はカートリッジ一択』
『インクの供給方法を選ぶ』には、『自分がどれくらい万年筆を実用するか』で考えましょう。
インクの供給方法は、大きく分けて3種類あります。
- カートリッジ式:インクが入った小さなカートリッジを装着して使うタイプ
- 吸入式:インクボトルからインクを吸入して使うタイプ
- コンバーター:カートリッジ式に装着することで、吸入式のように使えるようになるモノ
万年筆を常用したい人は『カートリッジ』を。こだわって使いたい人は『吸入式』がオススメです。
どちらも両取りしたい人は『コンバーター』がオススメです。

手軽に使いたい人はカートリッジ一択です。
ボクも吸入式は好きですが、少し手間があるのがネックです。
補足説明『なぜ万年筆を常用したい人にカートリッジをオススメするのか』

万年筆を好きな人の中には、『常用したいなら、コストが一番安い吸入式がいいだろう』という意見もあります。
ですがボクがカートリッジをオススメするのは、『カートリッジ式の手軽さが優秀だから』です。
カートリッジ式ならインクが切れてしまっても、すぐに予備カートリッジを装着すればOKです。
しかし、吸入式でインク切れに対応する場合、インク瓶を持ち運ぶ必要があります。
そして腰を据えた場所でなければ、インク瓶から吸入することはできません。
だからこそボクは、万年筆を常用したい人には『カートリッジ式』をオススメしています。

ボクも吸入式のほうが優れていると思っているタイプでしたが、
実際に使っているとカートリッジのほうが楽で便利なんです。
選び方から考える『オススメの万年筆』
万年筆を100本以上使ってきた筆者が、上記の選び方から考える『オススメの万年筆』を紹介します。
また、ここで紹介するのは全て一度所有して愛用していたモノです。
一部は他の人の手に渡ってしまいましたが、どれも優秀な万年筆でした。

ここで選んでいる万年筆は、すべて初心者の方でも使いやすいモノを選んでいます。
もちろん万年筆のベテランさんでも満足できる、良いモノばかりです。
『細字』のオススメ万年筆
日本製×カートリッジ式『パイロット コクーン F(細字)』

『コクーン』は万年筆初心者にも、ベテランさんにもオススメの1本。
文房具らしくないデザインで、スタイリッシュさを演出できます。
日本製×吸入式『パイロット カスタムヘリテイジ92 F(細字)』

『カスタムヘリテイジ92』は、吸入式でインクの持ちが良い万年筆です。
比較的コンパクトで携帯性が良いので、メインとして使うのには最適です。
『中字』のオススメ万年筆
日本製×カートリッジ式『プラチナ万年筆 #3776センチュリー M(中字)』

また、#3776センチュリーの魅力は、こちらの記事でまとめています。

『#3776 センチュリー』は、理想の書き心地を追求した万年筆です。
コストパフォーマンスが圧倒的に優れているので、ボクも愛用しています。
日本製×吸入式『セーラー万年筆 プロフェッショナルギアレアロ M(中字)』

『プロフェッショナルギアレアロ』は、21金ペン先を堪能できる万年筆です。
吸入式なのでインクの持ちも良く、書き進める手が止まらなくなる魅力があります。
海外製×カートリッジ式『ウォーターマン エキスパート F(細字)』

『エキスパート』は万年筆らしからぬエレガントなデザインが特徴です。
過去に使っていましたが、ステンレス製ペン先では最高の万年筆だと感じています。
海外製×吸入式『ペリカン M400 F(細字)』

また、M400の魅力は、こちらの記事でまとめています。

『M400』は、実用性と美しさを兼ね備えた万年筆です。
万年筆のベテランからも評価が高く、『初めの1本』にも『終わりの1本』にも向いています。
一目でペリカンの万年筆だとわかる特徴的なデザインも魅力的です。
『太字』のオススメ万年筆
日本製×カートリッジ式『セーラー万年筆 長刀研ぎ万年筆 B(太字)』

『長刀研ぎ万年筆』は、その独特さから多くのファンがいる万年筆です。
文字がキレイに見えるので、普段使いにとても優秀です。
日本製×吸入式『パイロット カスタム823 B(太字)』

『カスタム823』は、軸全体がインクタンクになっている不思議な万年筆です。
過去に細字で使っていましたが、インク切れとは無縁でした。
全体バランスの良い、究極の実用万年筆です。
海外製×カートリッジ式『パーカー デュオフォールド M(中字)』


『デュオフォールド』は、抜群のインクフローが生み出す滑らかな書き味が特徴です。
軽い軸も相まって、紙の上をスーッと滑るような書き心地が気持ちいいんです。
海外製×吸入式『ペリカン M600 M(中字)』


『M600』は、先述のM400よりひと回り大きい万年筆です。
少しの違いかと思いきや、まったく違う。
ペリカンの万年筆の奥深さを感じる、優秀な万年筆です。
まとめ
万年筆を選ぶのは、たったの3ステップ。さあ、万年筆を使ってみよう!
- 難しそうで簡単。万年筆選びは、たったの3ステップ!…万年筆はハードルが高いと思われているけど、意外と簡単に選べる!せっかく興味をもったなら使ってみないともったいない!
- 本当に迷ったらとりあえず『コクーン』から始めよう!…低価格だけど高品質。実用万年筆はこれで十分。もっと色々なのが試したくなったら、またこの記事を見に来てね!
今回は『万年筆の選び方』について解説しました。
万年筆は普段使わない故にハードルが高いと思われがちですが、使ってみるととても簡単な筆記具であることに気付くはず。
それでいて疲れ知らずのメリットがあるので、今まで触れたことのない人にも触れてもらいたいと思っています。
昨今では、『大人の趣味のひとつ』として注目されている万年筆。
まずは実用品として、普段の生活に取り入れてみませんか?

万年筆は一生モノの筆記具です。
使い続けることで、あなたにピッタリの存在になりますよ。
あなただけの『万年筆』を育ててみませんか?